ものしり知識

家康公の象徴


ブログ「東照宮ものしり知識」閲覧数を確認してみると・・・
なんと8700件を越えています。 皆様、有難うございます。

12月18日(金)、朝日新聞群馬版に『正月の活気 世良田東照宮 江戸を彷彿』と題した記事が掲載されました。
文中、拝殿正面蟇股彫刻を指した記述で「・・・鷹狩りを好んだ家康の象徴で、直接見られるのは全国で珍しい。」とあります。

      

     【拝殿正面蟇股彫刻 鷹】

上記彫刻の蟇股上巻斗には「日光より御被下申候也 牛六月十五日取付」の墨書銘がある。
これは、寛永19年(1642)に日光東照宮より当地へ社殿を移築する工事過程での『鷹』彫刻取り付け日を記したものである。

実はこの『鷹』の彫刻が重要なのである。

日光東照宮の彫刻と言えば、「三猿」「眠り猫」などの彫刻が有名であるが、これはあくまでも一般の方がご覧になれる彫刻である。

実は、本殿内の御空殿の正面、内陣の組物間、法親王着座間、本地堂の御空殿正面、御旅所本殿正面などには『鷹』の彫刻が施されているのだ。

つまり、最重要箇所には『鷹』の彫刻が必ずあるのである。

日光東照宮より移築された最古の東照宮拝殿。
唯一、当時の家康公の象徴が世良田東照宮でご覧になれるのです。

     

写真は、平成17年に当宮で撮影した『鷹』の幼鳥である。10年ほど前から毎年、オオタカが住みつき子育てをしている。
本殿彫刻『巣籠りの鷹』の杜で実際に子育てがされているとは、なんとも微笑ましく、御宮に仕える者として嬉しい限りです。

     
    【本殿彫刻 巣籠りの鷹】


2009年12月23日(水) No.183 (ものしり知識)